高電寺

高電寺創刊号

三つの詩 花

2020年07月28日 09:35 by sdrkoenji

菖蒲

 

蒼い菖蒲はご縁を賜り

あなたの前で 黒く咲きます

背中には薔薇の兆し

きょうも花びら一枚落として

あの月が満ちたころ また逢いましょう

 

今は只

小さなゆらぎ火がこの私

小さな煙を吹かして終わる

諸行を眺めても嬉しくないの

 

漂わせないで

眠らせないで

乾く間を与えないで

 

女盛りをゆすっておくれ

起こしておくれ

私に馴染む蜜が好き

私を少しだけ持っていて

 

欠けるころには 隣で落ち着きましょう

私の奥のふるえに

寄って 溶けていましょう

愛させて 私に

 

目隠し

その手が優しいのには欲が含まれていて

優しく置いた温かい手が腿を当然のように撫でる

 

太くて温かい指が可愛がる

唇と舌を吸われる

ああん、もっと、いけないとこ、汚して

汚い太い指で汚して

汚くて吸っちゃいけないとこ、綺麗な口で吸って

汚い声で、綺麗だって言って

舌が全部舐めるので もうわかんない

 

汚い口が柔らかな小さい輪を舐めている

赤い舌がピンクを濡らしている

 

究極の敏感を当てるので

ふるえて 蜜が絡まって指が拾うので

絡まって 助けてしまう

汚い唇にだまされて敗北したいの

 

頭の中の言葉を奪って

何もわからないうちに

沈めて

気づかないうちに

酔い殺して

お尻は大きいお腹に当たって

やわらかく迎え打つ

動けなくさせて

もっと支配して

 

奥で疼いていたすべてが

許しに任されて、射られる

そのすべてを今夜はちょうだい

注ぎ込まれたすべてを飲んで、返さないんだから

これで完了、ずっとこちらのもの

 

 

黒い花

 

誰でもよくってよ

どんな方でもよくってよ

あなたが脱いでしまう前に

その周波数を映し出すから

無防備に身についた 絡まった

糸が紡がれて布になって

隠してるなんてこと私にはないから

 

私はあなたが見える

その胸の奥を見てる

あなたは私を見てる

私が醸す

繊細な花の

  でもただの一片よ

 

私も好きよ

 

 

舐めさせて

あなたの歪んだとこ

ゆがみに溶けて一緒になりましょう

あなたの胸を引いて連れ込んであげる

蓋が開かないなら開けてあげる

わかってると思うけど

ここには何もないのよ

   今すぐ

 

 

その赤い輪の繊細さから 私は入っていくから

絶頂があなたをたっぷり喰いつくして

すっかり通り抜けてしまうまで

そんなことも必ず忘れて

 

 

 

靴裏で触れる道路

私は私しか見えない

あなたは居ない

再生画面に触れる

張り詰めた薄皮も弛んだ粘膜もない

はじめから存在 しない

 

あなたがときどき起こしてくれないと

消えるかもしれないわよ

 

温かく濡れて下垂って

私の中で黒い花は

眠り起きつづける

 

 

 

 

 

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